返事はいつも「…だから、何?」

「寒いね」と話しかければ「寒いね」と 答える人のいるあたたかさ

「サラダ記念日」俵万智 河出書房新社

俵万智さんの有名な短歌です。素敵ですよね。
この歌を読んで多くの人は共感し、身近な人とふだん何気なくしている会話の中に小さな温かい幸せがある、と気づいたりするのかもしれません。

ASDという言葉さえまだ知らなかった頃、私も結婚できたことで、そんな家族を得たのだと思っていました。

 

「今朝は寒いねー!」

真冬のある寒い朝、窓の外を一緒に眺めながら、同じセリフを元夫に言ったことがあります。
しかしその返事はこうでした。

 

「…だから、何?」

 

私は一瞬えっ…?となり、そしてちょっと考えて、
『…もしかして本人なりに冗談を言っているのかな!?』
と思いました。

あまり笑いをさそう冗談でもないけれど、きっと、きっと、どこかにオチがあるのだろう…と(笑)

そしてこう返しました。

「別に何ってことはないけど…ただ寒いね、ってことだよ~(笑)」

すると元夫はちょっとムッとした様子で言いました。

 

「…だから。それによって何か今日影響することでもあるのか?と聞いてるんだけど」

 

「…え、いや…別にそういうことはないけれど…」

あっそ。」

「………」

………

私はそれ以上会話を続けることはできませんでした。

このときの、なんとも言えないさびしさと、孤独感と、不思議さは今でも忘れることができません。

そして私はその原因が自分にあるかもしれないと思い、ひとりでずっと考えてしまいました。

  • 夫は不機嫌なのだろうか?なにか嫌なことでもあったのだろうか?
  • 私はなにかやらかしてしまったのだろうか?私がそれを忘れているだけだろうか?
  • 普通の会話なのになぜスムーズにいかないんだろう?

 

この「…だから、何?」という返事は元夫の口癖のようなものでした。
日々の小さなことや子供のちょっとした変化などを話すと、最後には「…だから、何?」とよく返されていました。

身体的暴力でも経済的DVでもないけれど、この言葉はいつも私の心に言いようのない閉塞感を残しました。

 

今ではこのエピソードを思い出すたび、「共感が苦手(目的がないと会話に意味を見出せない)」というASDの特性をなんとよく表していたのだろうとしみじみ思います。

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